2020.06.26 12:32女神の塔舞踏会の夜、賑やかで煌びやかなダンスパーティーの間から抜け出したところで、ベレトはマヌエラに声をかけられた。「おぬし、かなり飲んでおったな」外に出て、葡萄酒の飲み過ぎで熱っぽい頬に手を当てると、頭の中でソティスの声がした。「なるほど、教員たちの姿が見えんと思うたら、別の場所で宴を開いておったんじゃな」「ああ。貴族の子息たちにとっては、将来の縁談に関わってくる場でもあるから」…らしい、とベレトは付け加える。縁談云々は、結婚相手探しに勤しむドロテアからの入れ知恵である。「暗黙の了解というやつか。教師が茶々を入れぬよう…お、あそこにも逢引きしている者らがおるのう」見ると、別のクラッセの生徒たちのようだった。舞踏会の会場に、アッシュの姿は見えなかった。先刻、教...