2020.07.19 14:38sugary晴天の昼下がり、ベレトは休憩時間に中庭の木の根元に寄り掛かって、木漏れ日の中でうたた寝をしていた。アッシュは幸運にもそんな彼を誰よりも先に発見した。幸い、他に人の来る気配もない。勘の鋭い元傭兵を起こさないように、足音を消して彼に近寄る。少し疲れていたのか、思いのほか眠りは深いようで彼は起きることもなく規則正しい寝息を立てている。アッシュは傍らにしゃがみこんで、ベレトの寝顔を覗き込む。(やっぱり、睫毛、長いなあ)いつもそう思っていながらも、他の級友達の手前じっくりと見ることはかなわないベレトの顔を、この機に乗じて見つめた。ベレトに、好意は伝えていた。生徒であり、子供であるところの自分は本気にされないだろうことも予想していた。だから「とても嬉しい、ありがと...